【引っ越し・部屋移動】お仏壇の移動方法【注意点も解説】
上記の疑問に答えます。
✓ 本記事の内容
- お仏壇の移動方法
- 移動する時の注意点
マルスエ佛壇では、お仏壇の製造販売の他、お仏壇を移動したいというお客さまの、移動のお手伝いや、移動の段取りを説明するというサービスを行っています。
その経験から、お仏壇の移動について解説します。
お仏壇の移動方法
①自分で移動する
お仏壇は自分で移動することが出来ます。
注意点にさえ気を付ければ、行う作業自体はプロでも同じです。
例えば、小さなお仏壇で仏具も少ない場合は破損や怪我のリスクも低く、仏具を並べ直すのも難しくはないでしょう。
移動に必要な法要も、お寺さんに依頼すれば自分で段取りが可能です。
✓ ですが、リスクはあるので、後述する「移動時の注意点」をよく読んでください。
②業者に依頼する
また、お仏壇は仏壇店や引っ越し業者に依頼して、移動してもらうことも可能です。
最も安全安心な方法という点で、仏壇店に頼むのがオススメですね。
仏壇店に依頼すると安全安心な理由
- お仏壇・住居にとって、最も安全に移動する方法を知っている
- 仏教的な知識があり、仏壇仏具の扱いや配置方法に理解がある
引っ越し業者等に依頼する場合
引っ越しの場合であれば、引越し業者に、家具のついでにお願い出来るというメリットもあると思います。
引っ越し業者に依頼する場合、梱包・輸送の専門家なのでお仏壇本体の移動は問題ないと思います。
ですが、注意点として、仏具や位牌なども移動の際に、お仏壇から出して・引越し先で配置しなおす必要があります。
この辺りは自分で行う必要があるので、後述する「移動時の注意点」を読んでおきましょう。
なお、引っ越し業者によってはお仏壇を取り扱わない業者もあります。
引っ越し依頼時に、お仏壇の移動も依頼して確認しておきましょう。
移動時の注意点
破損・怪我を防ぐ
お仏壇の破損・住居の破損・運ぶ人の怪我によく注意してください。
お仏壇の材質や錺金具によっては見た目より重量があり、侮ると危険です。
お仏壇の破損しやすい箇所として、以下にまとめます。
- カド…凹みやすい。家屋を傷つけやすい。カドあて、毛布で養生する。
- 彫刻・荘厳(屋根)…移動の振動で外れたり、解体するリスクあり。要固定。
- 可動部の接地面(扉・障子など)…移動の振動で動き、破損のリスクあり。
接地面に緩衝材を挟んで、うごかないように固定する。
また、家屋も傷つけないよう、要注意です。
- フローリング・畳を傷付けないよう、毛布などで床養生をする。
- お仏壇を柱や長押にぶつけてしまわないよう作業する。
万が一ぶつけてもダメージがないようにお仏壇を養生しておきましょう。
そして、怪我をしたら大変です。
お仏壇によっては金具が付いており、怪我をする場合があります。
特に、金仏壇の錺金具は先が鋭いので、手袋をして、持つ場所を確認して作業しましょう。
仏具などの付属品
お仏壇を移動する前に、すべての仏具をお仏壇から出しておきます。
固定されているように見えても、移動の際に外れて損壊したりするので、危険です。
お仏像やご位牌は分かりやすいですが、瓔珞や輪灯、灯籠もはずします。
お仏壇によっては高欄が固定されていないタイプもあります。
忘れずに取り出しておきましょう。
そして、あるあるですが、「元通り並べられない!」という被害が相次いでおります…!
ベストは取り出す前に写真を一枚取っておくことです。
もしわからなくなってしまったら、以下の記事が参考になります。
詳しくは:【仏具・お供え】お仏壇の飾り方まとめ【各宗派のルール】
お仏壇の収納部分も要チェック
お仏壇によっては収納部分があり、引き出しタイプになっていたり、引違い戸が付いていたりするので、そこもはずしておくか、動かないよう固定しておきます。
引き出した付属品はポリエチレンシートや新聞紙などの緩衝材で梱包して、輸送するようにすると安心です。
供養・法要
お仏壇を移動する際は仏教の儀式(供養・法要)が必要です。
宗派によって考え方が違い、浄土真宗とそれ以外の宗派で解説します。
浄土真宗以外の宗派
浄土真宗以外の宗派では、お仏壇を安置した後「開眼法要(魂入れ、精入れ)」をします。
これは、仏の魂を入れて、礼拝の対象としますよ、よいう宗教儀式です。
仏像を作る時に、最後の工程で目を入れる時に仏の魂が宿り仏像になることから、「開眼法要」と呼ばれています。
上記のことから、浄土真宗以外のお仏壇には魂が宿っている状態です。
移動する際は、お仏壇から魂を抜き、礼拝の対象から「モノ」として扱う必要があります。
それを行う宗教儀式が「閉眼供養(魂抜き、精抜き)」です。
安置したら「開眼供養」し直しましょう。
浄土真宗の場合
浄土真宗の場合は、魂という概念がありません。
なので、開眼供養のような魂を抜く儀式の代わりに、感謝を表す「遷仏法要」という儀式を行います。
安置した後行う法要は「入仏法要」です。
法要まとめ
いずれの法要もお寺さんに来てもらって、お経を上げてもらう必要があります。
- 移動前…「閉眼供養」又は「遷仏法要」
- 安置後…「開眼供養」又は「入仏法要」
番外編・部屋間移動について
上記の通り、仏教の考え方からお仏壇を移動する時は法要を行うのが一般的なのですが、例外があったりします。
「隣の部屋に少し移動するだけでも、法要は必要?」
「模様替えで動かすだけなんだけど、だめなのかな…」
上記のようなご相談を受けたことがあり、お寺さんに聞いてみたことがあります。
「あくまで気持ちの整理のための儀式であり、負担にならないような柔軟な考え方で大丈夫。
少しくらい大丈夫、と思える人もいれば、法要が必要な人もいる。」
とのご返答でした。
仏教らしい、柔軟な考え方で、素敵ですね。
宗派によって違いますし、同じ宗派のお寺さんによっても意見が割れるという現実があります。
疑問に感じたら、お寺さんに相談してみることをオススメします。
記事のまとめ
- お仏壇を動かす時は、注意点に気を付けて、慎重に移動しましょう。
- 移動の依頼をするのは仏壇店がおすすめです。
- 引っ越し業者にお願いする場合は、仏具の取り扱いに注意しましょう。
- お仏壇を「動かす」際は、「閉眼供養」又は「遷仏法要」を行うのが仏教の考え方です。
- 法要について疑問があれば、お寺さんに聞いてみましょう。素敵な返答をもらえるはずです。
以上の通りです。
DIYに関しては、お仏壇の種類によって難易度がかなり変わります。
参考記事:【サイズ・価格・宗派】金仏壇まとめ【選び方も解説】
参考記事:【コンパクト・モダンデザイン】家具調仏壇まとめ【選び方も解説】
小型の家具調仏壇なら、ひとりで簡単に出来てしまう気がします。
大型の金仏壇の場合は4人で運ぶのが定石。重いです。
「お仏壇」「家屋」「からだ(特に、腰!)」に気を付けて、作業してくださいね。