【祭りのシンボル】山車(だし)と御神輿(おみこし)の違い
✓ このページの内容
- 山車と御神輿の違い
- それぞれの特徴
- 呼び方
記事を書いている僕は漆塗り職人です。
塗らせて頂いた山車や御神輿のお披露目を見に行くのは、職人冥利に尽きます。
同時に、塗りの研究のため、色々なお祭りを見に行っています。
また、地元の「石取祭」に参加していて、お祭り好きでもあります。
そんな経験から、今回は「山車と御神輿の違い」について、解説します。
山車と御神輿の違い
お祭りを盛り上げる山車や御神輿ですが、彫刻や金具などが付いていて、なんとなく神社のミニチュアっぽいイメージで、「山車と神輿ってどう違うの?」と思うかもしれません。
ですが、「山車」なのか「神輿」なのか、どちらの用語で検索をかけるかで、結果は大きく違ってくるでしょう。
山車と御神輿は似て非なるもので、明確な違いがあるので、まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
山車の特徴
- 車輪がついている。
- 押す・引くことで動かす。
- 人が乗ることが出来る。
以上が山車の特徴です。
なぜ「山車」と言うかですが、山岳信仰の「頂点に神様が宿る」という考え方からきています。
たしかに、山車は2階建て・3階建てと背の高いものが数多くありますね。
御神輿の特徴
- 持ち上げて担ぐ。
- 上の理由で、大きさに限界がある。
- 人が乗ることはできない。
以上が御神輿の特徴です。
「神輿」の名前の通り「神様の乗り物」であることから、鳥居が付いていたり、人が乗ることは出来ません。
基本は担ぐことにより移動しますが、補助的に車輪付き台を備えたりする御神輿もあり、中には富岡八幡宮の御神輿のように極端に重いものもあります。
(その重量何と 4.5 トン!ハイエース2台分くらい…すごい)
山車と御神輿の違い
山車 | 御神輿 | |
---|---|---|
神体 | 山車が依り代(よりしろ)になり、降りてくる | 神輿内部に移す |
全長 | 小さいもの〜最大 12m を超える | 台幅 40〜150cm ほど |
重量 | 100kg〜最大 20t | 数 kg〜最大 4.5t |
移動 | 車輪付き・押す、引く | 担ぎ棒を通し、担ぐ |
搭乗 | 搭乗して操縦・祭囃子を行う | 搭乗できない |
以上が山車と御神輿の違いです。 形も違いますが、意味合いも異なることが分かりますね。
いろいろな山車・御神輿
山車と御神輿の違いが分かった次は、呼び方の解説です。
地域や形によっていろいろな呼び方をします。
山車の別名
山車は、地域や祭りによって呼び名が変わります。
笠鉾(かさぼこ)…埼玉県の秩父夜祭など。
だんじり…主に関西地方での名称。大阪の岸和田だんじり祭りなど。
山鉾(やまほこ)…京都の祇園祭など。
山笠(やまかさ)…福岡の博多祇園山笠など。
曳き物(ひきもの)…東京の神田祭りや長崎の長崎くんちなど。
祭車(さいしゃ)…桑名石取祭など。
屋台(やたい)…掛川祭など。
すべて「山車」と同じものと考えて間違いありません。
御神輿の種類
御神輿は四角とは限らない!?
↑長野県健速神社
↑東京都住吉神社
御神輿というと四角を思い浮かべますが、珍しい六角・八角神輿というのもありますね。
神社っぽいものだけが御神輿じゃない!?
↑長野県諏訪大社
↑愛知県田縣神社
ちょっと大人な御神輿もあり、驚きます(笑) どのお祭りも、御神輿がユニークなだけあって、すごい迫力です!
まとめ
- 山車は車輪が付いていて、押したり引いたりするもの。
- 人が乗って祭囃子が行えるものがある。
- 地域によって形や造りが大きく違い、呼び名も違う。
- 御神輿は担ぎ棒で担ぐもの。
- 御神輿に人が乗ることはできない(神様だけ)。
- 地域によりユニークな御神輿も存在。
上記の通り。
町内の山車、または御神輿について調べる際の参考にして頂けると幸いです。
今年はコロナの影響でお祭りがほぼ全滅で寂しい限りですが、収束してはやくお祭りが戻ってきて欲しいものですね。
僕も太鼓が叩きたくて、ウズウズしています(笑)
止む終えない休祭ですが、今がメンテナンスを行うタイミング、と捉えることも出来るかもしれません。
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